大人のゴールドカード

国内・海外旅行保険のあるゴールドカードの補償内容の違いと適用条件(自動付帯と利用付帯)

1枚持っているだけで、さまざまなサービスやサポートが受けられるゴールドカード。中でも「旅行保険」が付帯し、新たに旅行保険に加入する必要も心配もなく旅行に出かけられる安心がつくメリットは、多くの人がゴールドカードに期待しているポイントだと思います。

 

ただ、どのような補償を受けられるのか、また保険と補償が適用になる特別な条件があるのかないのかは、必ず確認して上手に選びましょう。
実際にトラブルが起きてしまってから、補償が足りなかったり、保険が適用にならなかったりすることに気付いても、遅いのですから!

 

「最高1億円の補償」の見出しで安心してはいけない

「ゴールドカードの付帯保険は、補償金額が高い」ことは、一般的に知られていることです。それは確かに事実です。でも、どの項目の補償金額が高いのか、本当に必要な項目の補償は万全な金額なのか、重要なポイントをしっかりと知り、確認して選びましょう。

 

高い補償の旅行保険が付帯することを売りにしているクレジットカードは、「最高1億円の補償」との見出しを大きくつけている場合があります。でもこれはたいてい「死亡・後遺補償」の金額です。旅行中にこの補償を本当に受けることになる可能性は、ほとんどないと思いませんか?だとすると、高い金額が設定されても、実は、いわば無意味な補償であると言わざるを得ません。

 

では、どの補償が手厚ければ「良い保険」?

海外旅行保険の中では、一番支給「金額」が多い補償は、「傷害・疾病治療費用」であると言われています。

 

保険会社の統計データ上からの情報はここまでですが、実際に何度も旅行してみた経験から言えることは、支給「回数」が多い補償は「携行品損害」になると思います。

 

スーツケースが壊れたりカメラが壊れたりして、修理費用としてカード付帯保険のお世話になった回数はとても多いです。特にスーツケースは航空会社に預けている間に壊れて(壊されて?)しまうので、旅行者本人が注意したところで防ぎようがありません。そして実際に修理してもらうと、その費用はけっこう高額。ですから、この補償が受けられることはとても重要になってきます。

 

「傷害・疾病治療費用」は、旅先で病気になる可能性は低いとしても、外国の医療費がたいへん高額であることから、突発的な事故に遭ったりした場合に備えて、高めの補償があったほうがよい項目です。
「死亡・後遺補償」の補償金額があまり高くないとしても、それよりももっと利用する可能性が高い「傷害・疾病治療費用」「携行品損害」の補償金額が高い保険のほうが、より良い保険であると言えます。
この部分の補償金額が高い保険が付帯しているクレジットカードを選ぶことができると、万一のときにも安心です。

 

国内旅行保険と海外旅行保険の補償内容の違い

旅行には国内と海外の2種類がありますが、カード付帯旅行保険の補償内容は全く異なります。ぜひ覚えておきましょう。
「死亡・後遺障害」はたいていどちらも同じ補償金額がついていますが、「傷害・疾病治療費用」は、海外旅行保険では日帰りで治療を受けた場合も必ず補償対象になるのに対し、国内旅行保険はたいてい入院した場合と手術を受けた場合のみが対象になります(中には「通院」日額が補償される保険もあります)。さらにこの入院や手術についても「7日以内に治療が完了した場合は対象外」などとされていて、あまり頼れる内容にはなっていません。

 

ゴールドカード,旅行保険

 

そして、国内旅行保険の補償はたいていここまでです。海外旅行保険にはこの他に「賠償責任」「携行品損害」「救援者費用等」がつきます。最近は「航空機寄託手荷物遅延等費用」がつくカードも出ています。
なお、海外旅行保険は「自動付帯」のカードでも、国内旅行の分だけは「利用付帯」となっていることが多いため注意が必要です。

 

補償適用の条件で注意すべきこと。自動付帯と利用付帯の違いとは?

「自動付帯」とは、ただ加入して保有しているだけでそのクレジットカードを使わなくても、旅行に出かけたときには自動的に保険が適用になるものです。
「利用付帯」は、旅行費用(ツアー代金など)や宿泊代、公共交通機関の運賃の支払いに、そのクレジットカードで支払いした実績がなければ、旅行保険が適用にならないというものです。

 

自動付帯と利用付帯の違い

 

カード付帯保険を期待してクレジットカードを選ぶ人は、このどちらのタイプのカードなのか、よく確認して選びましょう。もちろん「自動付帯」であるほうが良いに決まっています。
また、自動付帯と利用付帯が混在する補償内容のカードもありますので、軽く覚えておきましょう。「軽く」というのは、そこが影響する項目が「死亡・後遺障害」だからです。そのカードを持っていて、上記の「利用付帯」の条件を満たすと、補償金額上限が上がるというものです。(そして、こういうカードが「最高1億円補償」との見出しになっていたりします。)

 

なお、「利用付帯」の対象となる条件は、細かくはカード会社によって異なります。筆者は実際にとあるカード会社に問い合わせたことがあるのですが、そのカード会社で対象とされる「公共交通機関」の定義は、「時刻表が存在し、時刻表に基づいて運行されているもの」ということでした。この場合、タクシーはダメで、保険適用の対象外ということになります。
もしこのことを知らずに「空港までのタクシー代をカードで支払えば対象になるはずだ」と思い込んだまま旅行して、旅行先で事故に遭っていたら、旅行保険は適用にならず、保険金申請はできなかったことになります。

 

公共交通機関

 

国内旅行保険のさらなる注意点

海外旅行保険については、「日本国内の住居を出発してから住居に帰着するまで、かつ日本出国の前日の午前0時から日本入国の翌日の午後12時まで」と大きなくくりで補償期間が決まっており、国内移動にかかる時間も考慮されていることが分かります。でも、国内旅行については、出発地は必ずしも自宅ではなく会社からなど、ということもあるため、同じようにはくくれないのでしょう。どの保険も時間の範囲で補償する形にはなっていません。

 

そして、補償が適用される利用付帯の条件というのも、かなり細かく決められています。
「乗車券や搭乗券の購入代金をクレジットカードで支払った場合に限り、『その乗り物に乗っている間』だけ」とか、「宿泊代金を事前にクレジットカードで支払っている場合に限り、『その宿泊施設に滞在している間』だけ」のような、たいへんな細切れの内容になっています。

 

一度しっかり覚えてしまえば難しいことは言われていないのですが、パッと読んだだけでは、複雑に感じてしまいますね。そして、あまり頼れない感があると言うか・・・。
それでも保険を利用する可能性があると思っている人は、本当にしっかり確認して理解しておくことをお勧めします。また、クレジットカードに加入してからも、保険に関しては条件が変わる(たいていは悪くなる)ことがありますので、ときどき確認することをお勧めします。

 

死亡・後遺障害以外の補償金額は合算できる

ゴールドカードを複数枚持っている、または、旅行保険が付帯している一般カードも含めたクレジットカードを複数枚持つ人には朗報です。
旅行保険の補償金額は、「死亡・後遺障害」以外は、合算した金額で補償が受けられることになっています。

 

例えば、「傷害・疾病治療費用」の補償金額が150万円のカードと300万円のカードを持っていて、どちらも「自動付帯」の場合は、万一の時には450万円までの補償を受けられます。

 

ゴールドカードの補償金額は合算できる

 

また別の例では、「携行品補償」の補償金額が20万円の「利用付帯」のカードで航空券代金を支払い、他に「自動付帯」の50万円のカードも持っていたとすると、万一のときには70万円までの補償を受けることができます。

 

ちなみに「死亡・後遺障害」は、補償金額が一番高い保険だけが有効になり、金額の合算はできません。

 

まとめ

知っておくべき大切なことだけれど、イザとなると難しそうで、とっつきにくい印象のある「旅行保険」。

 

でも特に、年に数回旅行をする人にとっては、「ゴールドカードを持つメリット=旅行保険がつくから、別の保険に改めてお金を払って加入しなくてもよいこと」と筆頭に挙げられるほど重要な、カード付帯サービスです。
一度しっかり覚えて、良い保険がついたクレジットカードを選ぶことができれば、この先一生そのカードを持っている限り、安心して旅行に出かけることができます。

 

「付帯保険があるゴールドカードを持っているだけで安心」なわけではなく、知らないと落とし穴になってしまうようなケースもあること、少しでもご理解いただけたでしょうか。
ぜひ参考にしていただいて、良いカードを選んでいただくことができれば幸いです。

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